開発ストーリー EPISODE

開発ストーリー
三最シールドが紡ぐ絆①

医療従事者に対する敬意と感謝を込めて。日本赤十字と共同開発で誕生したフェイスシールド「AK-001」

2020年4月中旬、新型コロナウイルスが世界中で猛威を奮い、人類は未曾有の危機に直面していました。食品パッケージのクリエイターとしてさまざまな分野に展開していた弊社でも、何か支援できることがないか、日々自答自問していました。そして、日本赤十字社に相談を持ち掛けお話を伺う機会を頂きました。

「新型コロナウイルス対策に従事している医療関係者を守れるフェイスシールドを開発していただければ…」
この一言がきっかけとなり医療従事者を守るフェイスシールド開発プロジェクト「AK-001」がスタートしたのです。

医療従事者が求めるフェイスシールドとは?

これまで一度も取り扱ったことのないフェイスシールド。この「AK-001」プロジェクトをどこから着手すべきか悩みましたが、弊社の最重要案件として各部署一丸となり取り組むこととなるのです。そこで、世界各国で配布されていたフェイスシールド図面を分析し、そこに弊社ならではの要素を組み込んでいったのです。第一作目を一日も早く完成させるために。

その理由は、日々増え続ける新型コロナウイルス感染者。完成度はもちろんのこと1日も早く医療従事者を守るAK-001を完成させたい。そんな想いを強く抱いていたのです。
早速、試作品を赤十字病院の医師や 看護師に使用していただきフェイスシールドに求める機能の確認作業がはじまりました。

・常に清潔なモノを使用したいのでディスポーザブルタイプにして欲しい
・医療行為に支障がない透明度が欲しい
・上から降ってくる飛沫に対応して欲しい
・医療用ゴーグルをつけた上でも装着できるよう顔面とシールドの間隔を空けて欲しい
・頭部サイズを細かく調整可能できるものにして欲しい
・容易に外れない仕様にして欲しい

医療従事者からたくさんの要望があがってきました。それは、弊社が挑戦するフェイスシールドへの期待でもあったのです。

医療従事者を守る40mmの隙間と5パック成型

感染症対策の最前線で働く医療従事者の意見を食品パッケージ・クリエーターとして培ってきた技術で1つずつクリアーしていったのはプロジェクトリーダーを担った企画開発部。

しかし「医療用ゴーグルをつけた上でも装着できるよう顔面とシールドの間隔をあけて欲しい」この要望をクリアーするのは一筋縄ではいきませんでした。医療用ゴーグルを装着するために必要な顔面とシールド部の隙間は最低40mm必要であることが判明。この40mmの隙間を確保するために考案した突起物は高さを確保すればするほど強度が失われ、またブリッジ(ヨレやシワ)が出やすくなってしまうのです。

「上から降ってくる飛沫に対応して欲しい」
この2つの要望も合わせてクリアーするために幾度なく試作を繰り返し辿り着いたのが5パック成型。難関だった40mmの隙間を確保しつつ上からの飛沫に対しても満足する結果を得られたのです。

医療従事者の顔をカバーするシールドサイズは、横幅355mm×縦幅275mmに決定

残された課題は1つ。医療従事者を守るシールド部のサイズでした。一般的に販売されているフェイスシールドは縦幅230mm以下、横幅330mm以下のものがほとんどでした。しかし、このサイズ内だと顔面側部までカバーできないシールドもあり不安を感じている医療従事者がいたのです。

単にサイズアップすれば良いという問題ではありません。シールドサイズを大きくすればするほど邪魔になり不快感を生むことで作業効率が低下する恐れがあったのです。ミリ単位で試作を繰り返した結果、満足いく横幅は「355mm」でした。一般的なフェイスシールドとの差は、約25mm以上。この「355mm」が生み出す安心感は、後に行われる飛沫可視化テストで明らかになる安心の横幅だったのです。

上下からの飛沫を最大限考慮したシールドの縦幅は頭部から顎先まで覆うサイズに拘りました。人によって顔の大きさは異なりますが、「252mm」以上あることが望ましいという結論に達したのです。(※当社調べ)
そして、AK-001は過酷な医療現場からの要望を鑑みて、頭頂部から顎先まで余裕を持って覆う縦幅275mmに決定したのです。

※後に開発した三最シールドは医療現場のご要望にお応えし縦幅を3パターンとしております。
AK-002は、シールド部:横幅355mm×縦幅252mm、AK-003は、シールド部:横幅355mm×縦幅260mm

日本赤十字社にフェイスシールドAK-001を10万枚寄贈

開発が始まってから、わずか数週間で医療現場の要望を満たした実用性の高いフェイスシールドAK-001が誕生しました。弊社が持つ生産能力の高さを活かしてAK-001の生産がはじまりました。一日でも早く医療従事者に届ける使命があったからです。こうして誕生したAK-001を日本赤十字社に10万枚寄贈。全国の医療現場で使用されることとなったのです。

【災害救護の現場からの声】 日本赤十字社徳島県支部 事業推進課長

災害救護活動での感染症対策が喫緊の課題となっているなか、赤松化成工業株式会社様が作製されたフェイスシールドは誰でも簡単に装着できるうえ、重ねられることから備蓄に場所を取らず、分別廃棄も不要である点において非常に有効である。また、シールド・ベルト一体型で素早く装着できることから、緊急時の迅速な対応が可能である。

【医療の現場から】 徳島赤十字病院 救急科部長

開発段階から、様々な医療従事者の意見を取り入れていただいた製品は、突起がしっかりしていて額で固定しやすく、ずれにくいので動きのある処置等でも安心して使用できる。また、緊迫した場面での長時間の使用においても疲れにくく、曇り留め加工がしっかりしているのに加えて、プラスチック特有の歪みやぼやけがなく視界がクリアーである。

まだ、産声をあげたばかりのAK-001。弊社は、この日を境に日々改良を重ね世界一のシールドメーカーを目指すことで安心・安全な日常を取り戻す片翼を担っていきたいと考えています。

後日、日本赤十字社社長 大塚様、日本赤十字社徳島県支部支部長 飯泉様よりフェイスシールド寄贈に対してお礼状を頂きました。

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